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<<   作成日時 : 2006/06/26 23:57   >>

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ティラミスが日本で一躍流行したのは、今から15年ぐらい前だろうか。当時、入手困難だったティラミスをお土産に持っていくことになった、K君。彼は、私の友人のNちゃんのカレ。大学に合格し、はるばる上京して来た彼は、キャンパスの学生食堂で、女神様に出会った。それが、Nちゃんだった。彼には、Nちゃんのために、超えなければいけないハードルが幾つかあった。それは、県警本部の刑事であるNちゃんのお父さんと、剣道と柔道の段を持っているお兄さん二人…。
 K君の女神をとりまく環境は、彼の想像以上に厳しいものがありました。彼女には門限があること。それから、カレになった人は、必ず彼女の家に、一度顔を見せに行かなければいけないということだった。Nちゃんから話を聞く限り、高校時代も、そういう理由から、彼女のカレになった人にまつわるエピソードはあまり良いものではありませんでした。彼女も、そういう父親に反発したこともあったり、家族の事情なども話さず隠れてカレと付き合ったりしたものの、結局は、いろいろ工作したり、また温和な母親を困らせてしまうのに疲れて、諸々うまくいかなかったらしいとのことでした。
 私の方は門限が緩くなってというか、事実上、自己責任においての行動になり、大学生活の自由を謳歌していたせいもあってか、彼女の話を聞くにつけ、今どきめずらしくお嬢様なんだな〜。それにしても県警本部の刑事のお父さんに、剣道・柔道段のお兄さん達…、きっと、仁王様が待ち構える門の向こうには、不動明王がいるようなものだろうかと、彼女の家を想像していました。が、ある日彼女の家に遊びに行ったついでに夕食をご馳走になったとき、私の想像は違っていたことを知らされた。確かに、お父さんも、お兄さん達も身体はがっしりとしていたが、想像していたより、とてもユーモアのある人達だった。そして、彼女の家は、警察犬ならぬ秋田犬の雑種の白い犬を飼っていた。名前はダンク。ダンクは、彼女の長兄のお友だちの家からもらわれてきた犬だった。そのお友達がとてもバスケットが上手いので、そこからダンクと名づけられていました。ダンクは、何処もかしこも白いので、眉毛の薄さを可哀想だと思った彼女のお父さんが、墨で眉毛を描いてやったが、曲がったことが大嫌いなお父さんの性格から、ダンクの眉が一文字になってしまったという話は、ダンクには気の毒だが、さすがに笑ってしまったほどだ。そして、その話をきいたK君も、大笑いをしていました。
 ある日、仲間うちで、ボーリングを楽しんだ後、少し飲もうかとうことになり、でも、Nちゃんを車で自宅まで送っていこうと決めていたK君は、その日はめずらしく一滴も飲まないでいた。ほろ酔の彼女を助手席に乗せて、K君は彼女の自宅へと、車を走らせた。車なら、40分ほどで彼女の家に到着し、門限までにはゆうに送りとどけられるはずでした。しかし、K君の見込みは甘かった。道路工事の渋滞にはまり、時は一刻、一刻と門限を過ぎて行ってしまった。K君は、門限を過ぎて怒られるであろうNちゃんのことが、心配になりました。そんな彼の心配をよそに、酔っているNちゃんは助手席で鼻うたを唄っていたのでした。K君は、一大決心で彼女の家に、門限を過ぎてしまったことのお詫びの電話をすることに決めました。酔っていたNちゃんも、気が大きくなっていたのでしょう、K君に詫びを入れさせるのは申し訳ないからと、彼女は門限を過ぎてしまうことを電話で平謝りした序に、カレに送ってもらっていることを打ち明けてしまいました。さて、K君の運命や如何に…!?
 やっとこさ、彼女の家に着いて、K君は彼女と一緒に叱られるのを覚悟で、彼女の家の玄関を開けた。愛犬ダンクが尻尾をふりながらひと声上げる中、ドアを開けたNちゃんとK君。そこには、彼女のお父さんが、日頃使い込んでいる竹刀を携えて待ち構えていのでした。「であえぇっ」と言わんばかりに、お父さんに飛び掛られると咄嗟に思ったK君。身を翻した彼は、門を出てひたすら走ります。郷里の山を、田畑のあぜ道を走り回って培った、K君の脚。その逃げ足の速いこと…。刑事魂故に、K君を追う、お父さん。捕り物帖の行方は、追い詰められて、勢いあまって川に入ってしまってずぶ濡れになったK君が、観念しての結末となりました。ずぶ濡れになったK君を見て、追いついてK君に駆け寄っていくNちゃんを見て、お父さんは少し冷静さを取り戻し、ブツクサ言いながら、K君を家の中へと入れたのでした。
 家の中に入れてもらったものの、その日はたまたま仁王様、いえ、お兄様たちも家にいて、蛇ににらまれた蛙となった、K君。お兄さんの一人が、睨みをきかしたまま、ずぶ濡れになったK君に洋服を貸してくれたそうです。彼女のお母さんはただ詫びるばかりで、お父さんとお兄さん達の黙って睨む中、ちょっとだけNちゃんを振り返って、K君は肩を落としたまま、帰っていったそうです。
 洋服を借りた御礼と、名誉挽回のために、そして何より彼女のために、K君は何を持っていったらいいだろうかと、仲間内に相談をしたのでした。聞けば、お父さんは大の甘党で、お酒も好きだと言うこと。思いつきで、今、巷で流行のティラミスはいかがかしらと言ってみた。丁度バイト先のケーキ屋さんのマスターが作るティラミスは絶品だからと、哀れなK君に、私はちゃっかり小商。兎も角も、K君はティラミスを携えて、Nちゃんの家の門を再びくぐりました。お母さんはすまなそうに、お父さんとお兄さん達は、相変わらず黙って睨んだままのお出迎え。愛犬ダンクが、尻尾を振ってK君をにこやかに迎えてくれていました。「かわいい犬ですね、ダンプ君!」皆の顔がピクリと凍りついたのは、言うまでもありません。あぁ、K君…(T_T);その後から、4年。二人は目出度く結婚することに!今では、三人の児の、お父さんとお母さんです。退職をされたお父様は、今ではすっかり孫バカということです。
 それにしても、二人の結婚式のとき、お父さんとお兄さん達が、式のときも、披露宴のときも、泣きっぱなし。男三人が、寄り添うように、あんなに泣いているのを見た結婚式は、後にも先にもK君とNちゃんふたりの結婚式だけでした。

 さくらんぼふふんで明日のこと知らず

 *出会えた季語* さくらんぼ(季節・夏) 
 *Sweets Menu* Tiramisu Of  Maccha (抹茶ティラミス)

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