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zoom RSS Ten Years Ago

<<   作成日時 : 2006/05/15 00:57   >>

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 久しぶりに、大学時代の友人が訪ねてきた。彼女は先日結婚一周年を迎えたばかりで、今だ新婚気分が抜けきれていないらしく、ウキウキな様子で、我が家へやって来た。そんな彼女の笑顔を見て、今、彼女が幸せなのだろうということは、疑いようもないようだった。
 彼女も、私も、私の夫も同じサークル仲間だったので、夕食を終えてからは、当然、学生時代のころの思い出話に花が咲いた。ダイニングから席を移して、彼女のために焼いた、オレンジのケーキを切り分けて、彼女の前に差し出すと、一寸黙ってから、「ずうっと、前も、こうしてくれたことがあったね。」と彼女はあっけらかんと言い、うれしそうに、ケーキをフォークでつついている。




 夫との結婚が決まったばかりの頃だった。夫の友人の家でのバーべQに招待されていた日の前日に、お土産用にケーキを焼くことに決め、やっと焼きあがってほっとしていた時だった。家の黒電話が鳴り響き、受話器をとると彼女だった。彼女は号泣していた。どうしたのかと、こちらは尋ねる間もなく、「どうしよう、サヨナラ言われちゃった。」と嗚咽交じりに、そればかりを伝えていた。
 とにかく、私の家に来るようにとだけ諭し、泣きはらした顔のまま、車を飛ばして彼女はやってきた。号泣の理由を聞けば、ほんとうに恋人からサヨナラを告げられてしまったということ。恋人は、大学で同じサークル仲間で同期生だった彼…。いつも一緒に、キャンパスへ通ってきた二人。卒業をしてからも、きっと彼女と彼の仲は、順調に育まれて行くだろうと思っていたので、サヨナラを言われたという彼女の話は、私にとっても思ってもみなかったことだった。
 後に、夫や同期の男友だちを通じて、彼の気持ちをきいてもらったが、双方に言い分があるとは言え、つかみどころの無い友人の性質が、彼の不安を増大させ、そういう気持ちに太刀打ちできなかった彼が、自ら幕を引いてしまったということだった。女として、友人として、彼女の味方だった私は、なんとか二人を繋ぎとめるものはないかと、拗れない範囲で、あれやこれやと策を講じてみたし、彼女もまた何度か彼の元へと足を運んだが、彼は二度と彼女をふりむくことはなかった。
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ただただ泣いているばかりの彼女が可哀想だったのだろう、私は、お土産用に焼いたケーキを、彼女のために切り分けて差し出した。どうして、そのようなことを思い至ったのか、自分自身も未だに解からないが、差し出されたケーキを、涙でぐしゃぐしゃになりながら、彼女は美味しいと言って食べてくれていたことだけは、確かだ。そしていずれにせよ、彼女が彼を大好きだということは、紛れも無いことだった。
あれから十年。つかみどころの無い彼女は、フワフワとしながら、彼女にとっての最良のパートナーを得た。彼女の夫は、高学歴のイケメン様。あのときの彼女があったからこそ、今の彼女が美しく、輝いている。いろんな話の中で彼女は、彼女の夫へのちょっとした不満をこぼしていた                           が、それは裏を返せば大好きと言っているように、私には聞こえた。



 薔薇の夜を渡つて風の届きたる

 *出会えた季語* 薔薇(季節・夏)
 
 *Sweets Menu* Orange Cake 

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コメント(2件)

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YUMIさん、こんにちわ!胸がキューンとなるお話とおいしそうなオレンジケーキ・・まだ子供たちが幼稚園だった頃、お友達とパンとお菓子つくりにはまっていた時焼いたケーキとまさに同じ形・・あの頃が懐かしく、いつも遊んでいたお友達に久しぶりにメールしちゃいました。あ〜私も1口・・

2006/05/17 15:29
藍さん!!コメント、とってもうれしいです!このオレンジケーキ、作るのは、とても簡単なのですよ。きっと藍さんもお作りになったと思いますが…☆今度、作ってお持ちしますね!
Yumi
2006/05/18 23:51

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